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属と種の違いについて

属と種の違いについて

生物は、共通の特徴や進化の過程に基づいて、大きなグループから小さなグループへと階層的に分類されています。この分類階級のうち、基本的な単位が「種」であり、種がいくつか集まったものが「属」です

例えば、ホッキョクグマとヒグマは、どちらもクマ属に属しています。

​これは、彼らが非常に近縁であり、共通の祖先から比較的最近分かれたグループであることを示しています。

​しかし、生息環境、食性、形態が異なるため、互いに交配して繁殖能力のある子孫を残すことがない、別々の「種」として区別されています。

腸内フローラにおける属と種の意義

属レベルで調べる場合:全体のバランスの把握

「属」は、共通の祖先や基本的な特徴を持つ種のグループです。

​■ 特徴と用途

大枠の把握: 腸内フローラ全体の大きな構造や優勢なグループ(例えば、「Bacteroides属が多いか」「Bifidobacterium属が多いか」)を調べるのに適しています。

​コスト効率: 遺伝子解析の初期段階や、研究の初期スクリーニングとして、比較的安価で迅速に結果を得たい場合に用いられます。

​一般的な情報: 「善玉菌が多いか」「悪玉菌が多いか」といった、ざっくりとした腸内環境の健康指標を知るのには役立ちます。

種レベルで調べる場合:具体的な機能の特定

「種」は、互いに交配して子孫を残せる最小の分類単位であり、機能的にも明確に区別されることが多くなります。

​■  特徴と用途

​機能の特定: 属レベルでは同じでも、種が異なると産生する代謝物(酪酸、酢酸など)や病原性が大きく異なることが多々あります。

​例: Bifidobacterium属」の中でも、ビフィズス菌 B. longum は健康に良い機能を持つことが知られていますが、別の種のビフィズス菌は機能が異なる可能性があります。

​精密な診断: 特定の疾患との関連や、特定のプロバイオティクス(生菌剤)の定着を追跡するなど、より詳細なメカニズムを研究・調査したい場合に必須となります。

​精度: より高度な遺伝子解析技術(例:全ゲノムショットガン解析など)が必要になるため、時間とコストがかかりますが、その分最も正確な情報が得られます。